毎年、木彫刻師になりたいと志して井波の町を訪れる若者がいます。かつての自分もそうでした。初めて井波を訪ねてから四半世紀以上経ちました。これから木彫を学びたいという方に自分の経験から木彫刻師になる方法をシリーズにして書こうと思います。
どこで木彫を学ぶか
私は井波で木彫を学びましたが、結論として学ぶ側にとってはこんなに手厚いところは無いと思っています。井波では現在でも徒弟制度による技能訓練がなされており、同時に木彫刻師になるための日本で唯一の木彫の訓練校があります。
井波以外にも木彫の産地はありますが、ほとんどがよそからの弟子を取らなかったりします。また、木彫教室などで基礎を習い、自分の作品を発表いてゆくという方法もあるかも知れませんが、職業とするには、あらゆるニーズに応得れる技術と自信は必要だと思います。
井波彫刻の徒弟制度の年季は5年で、親方の自宅や近所の借家に住み込み修行します。それと並行に訓練校でデッサンや技能を学びます。普通、学校と言えば授業料がつきものですが、訓練校の設置にともない、訓練生の賃金は富山県の最低賃金に準拠する事と定められており、学ばしてもらいながら毎月賃金までいただけ、日常生活の懸念なく技能の習得に専念ができる環境が揃っています。
井波彫刻高等職業訓練校は2022年に休校致しました。井波彫刻協同組合は新たな彫刻師育成プロジェクトとして井波彫刻塾を開設しました。本格的に彫刻師を目指す方から趣味として彫刻師に指導してもらいたい方まで幅広く募集しております。
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