木彫りレリーフの作品の制作の様子をご紹介します。
①構想、スケッチ
自分の想い描くものを形にするためにスケッチを繰り返し、構想を練ります。この作品は宇宙探査機「はやぶさ」のニュースをきっかけにして、開拓精神の重要さの大切さに気づかされたという思いを作品で表現しようと思いました。
②原寸図案
スケッチ画をもとに、作品寸法と同じ大きさになるよう拡大し、図案を描きます。
③木取り
作品イメージに合う木材を選び、作品寸法に合わせ木材を製材し、図案をカーボン紙で写す。
④荒彫り
荒彫り用鑿、木槌、チェーンソーを使って、完成した形を思い浮かべながら不要な部分を取り除くイメージで彫り進める。
⑤仕上げ彫り
仕上げ用鑿(彫刻刀)を使い細部を仕上げていきます。作品によっては数十種類から100種類の仕上げ用鑿を使い分け彫っていきます。サンドペーパーなどは使わずに鑿のタッチを活かし、木彫にしかできない風合いを大事にします。
⑥塗装
色味を加えた砥の粉(砥石の粉末)を水で溶かし全体に塗ります。砥の粉を塗ることで、木材の目止めができ、手垢や防汚になり、自然な感じで着色できます。また、部分的に」艶を出すことで、立体的に見せる効果もあります。
⑦彩色
作品によっては顔彩(日本画用絵具)などで彩色を施します。今回の作品は星を表現するため、部分的に彩色しました。
⑧磨き(艶出し)
作品に光沢を出し、彫刻の凹凸や鑿のタッチを際立たせるため、蜜蠟(ミツバチの巣を精製したもの)などを布につけ、艶を出したいところをみがきます。
⑨完成
裏側に吊り金具をつけて完成です。
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